筆者は、シンガポールに駐在中の16年半の間に2社買収企業として実際に海外M&Aコンサルタントをした経験から本編を執筆しております。
まずやる気になって頂くためにズバリ日系グローバルの海外M&A関係の標準年収は以下の通りです。
某投資銀行のケース
ポジション | 最低年収 |
---|---|
FRESH アナリスト(1~3年目): | 800万円~1300万円 |
アソシエイト(3~5年目) | 1300万円~1900万円 |
Vice President | 1900万円~3000万円 |
Director/MD(マネージメントレベル) | 最低3000万円~1億円以上 |
日系グローバル企業の海外M&Aは、かなり高額になっております。
本編は、20代、30代の方であっても年収3000万円や年収1億円と夢のような年収を狙うことが可能であることを他にない方法で具体的にお示しして海外M&Aにチャレンジをされる方を支援して参ります。
また日本へ雪崩れ込んでくる欧米系の買収側企業(日本版海外M&A)と対抗できる人材の発掘・育成にも役立つと考え執筆しております。
本記事はこんな方におすすめ:
日系グローバル企業で、
・海外M&Aコンサルタントになることを検討するために情報が欲しい
・海外M&Aコンサルタントへの転職を検討している人
・海外M&Aコンサルタントの給与体系や人事情報が欲しい方
海外M&Aをトライするのに必要な資質
必要な応募要件(資質)
まずは外資系で海外M&Aコンサルタントでやる場合は、
外資系の場合
応募条件
◇財務・経理経験
◇M&A実行経験
◇ビジネスレベル以上の英語力(TOEIC860点以上)
◇大学卒以上
ととても高くハードルが高い為、本編ではまず第一弾として日系グローバル企業に入り海外M&Aコンサルタントを担当することを目標に自身の経験から執筆以下して参ります。
日系グローバル企業の場合(ハードルが、外資系よりまだ比較的低い)
◇財務・経理経験(最低限簿記3級)>入社後の学習でカバーできる会社もあり
◇M&A実行経験(場合によってなくても可能)
◇ビジネスレベル以上の英語力(TOEIC730点以上)
◇大学卒以上(大学の選択があることが多い)
ここまで読まれてもう外資系はだめだと思われた方は日系グローバル企業のM&Aコンサルタントを取り合えず目指してください。
以下詳しく個別に延べます。
財務・経理経験なぜ必要か?
M&Aを実施して会社を買収する場合にDue Diligence(通称デューデリジェンスという)と言って買収する会社の調査を時間をかけて行います。
場合によっては、買収する会社まで出向いて調査を行うので従業員に買収されるのがばれてしまうことがある為、とても慎重に行う必要があります。
デューデリジェンス(Due Diligence)とは、買収する予定の企業の動産・不動産など価値や会社の行っている事業の中身などに関して詳細に調査して投資する価値がいくらあるのか否かを決める重要なSTEPです。
日本語では「適正評価手続き」とも呼ばれております。
一般的にデューデリジェンスには、次のような種類があります。
- ビジネス・デューデリジェンス:組織や営業活動の調査
- ファイナンス・デューデリジェンス:財務内容などからリスクを把握する調査
- リーガル・デューデリジェンス:定款や登記事項などの法的なものをチェックする調査
- 人事デューデリジェンス:対象会社の人事制度や人材マネジメントに関する調査
- 税務デューデリジェンス:対象企業の税務リスクを把握する調査
買収する企業の価値がどれくらいあるのかを判定するのに財務諸表を見て最低限判断できる知識が求められる為、財務・経理経験は必須になりますが、信用できる財務の方を側近におけばカバーはできます。
しかしながら、基本的なことは学ぶ必要があります。
M&A実行経験
特に外資系グローバル企業でM&Aに携わるには、実績が問われます。
誰でも最初は未経験である為、実績はありません。
出来れば日系グローバル企業でM&A案件を2件くらいは経験されてから外資系へ転職される方がハードルが低いのは事実ですが、
まず、日系グローバル企業でM&A修行をされるご希望の方はこちらから入りましょう!
まず1-2件の成功M&A事例を作りましょう。
ビジネスレベル最低限以上の英語力(TOEIC730点以上)
筆者は、TOEIC730点でぎりぎり合格ですが、日系グローバル企業では2件成功M&A事例があり皆様も十分これから戦えます。
しかしながら外資系でM&Aを担当していくには最低でも860点以上は欲しいところです。本編では、日系グローバル企業の海外M&A編ですが、将来的に外資系企業でのM&A(日本への進出など)なども意識して書いていきます。
英語学習、頑張ってください。
日本進出を加速する外資系企業
円安の進行に伴い、マイクロソフト、インテル社など今後、アメリカないしは欧米系の企業などの日本企業の買収が加速していきます。
映画『フラガール』の舞台にもなった、福島県いわき市の【スパリゾートハワイアンズ】。 9月10日、運営会社はアメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」の買収を受け入れると発表しました。
海外M&Aの買収される側でいかに高く売るかの商売ですが、日本文化の特殊性をアメリカ企業は理解できない為、どうしても日系のM&Aコンサルタントと連携するケースも出ると推定しております。
大学卒以上(大学の選択があることが多い)
日本の大学は入れば出れるのであまり意味がないのですが、日本のTOP M&A企業であるM&A総合研究所(社員数407名(2024年6月時点))のケースでは以下となっております。
順位 | 採用大学(上位8大学) |
---|---|
1 | California State University, Long Beach |
2 | 南山大学 |
3 | 同志社大学 |
4 | 名古屋大学 |
5 | 日本大学 |
6 | 早稲田大学 |
7 | 法政大学 |
8 | 青山学院大学 |
どう思われますか?必ずしも東京大学、早稲田・慶応ばかりではないですね。
TOEICのテストの結果も約半数の方が700点以下とのデータがあり、日本人の英語力の無さがM&A総合研究所のエリートの方でも顕著です。
採用試験で見られる資質
一般的に以下の要件を求められます。
- 法人営業経験3年以上
- 営業において上位5%以上の成績を生み出した経験
- コンサルティングファームでの執務経験
- 会計士、弁護士などの国家資格を保有
- 金融機関での就業経験
また保有していると有利になる資格として、
- 日商簿記(1級 or 2級)
- M&Aスペシャリスト
- JMAA認定M&Aアドバイザリー
- 事業承継士
- 中小企業診断士
- 事業承継・M&Aエキスパート認定資格
- 日商簿記(1級 or 2級)
- 税理士・会計士
海外M&Aでやる仕事の内容と成功させる秘訣
私が実際シンガポールで2社買収した際の経験に基づいて以下を纏めました。
PMI(post merger integration)を熟知して実行する
1)まず買収企業と、被買収企業の買収後の新しい戦略の合意が重要です。
買収後の財務目標の提示が買収側からあっても、新しい買収後の新会社の戦略がないとうまく回りません。
買収前に両社でWORKSHOPを作ってお互い議論を重ねることが肝要です。
2)人のINTERGRATION
新しい経営陣に買収前の会社の人間をどのように入れるか要検討
私のシンガポールのケースでは、経営者OWNERは引退させ、No.2だった人間で言うことを聞く人間を新会社(買収後)の社長に抜擢したことが功を奏して非常にうまくいきました。
他、開発・製造・販売・経理・人事などKEY PERSONのPOSITIONをどのように融合させて買収側の人材と被買収企業の人を有機的に融合させ、管理しすぎない・しかしながら管理する姿勢を示す非常に難しい決断を迫られます。
あらかじめ、デューデリジェンスの段階で人事のデューデリがなぜ重要かお判りになられると思います。
3)機能統合(余剰人員の削減)拠点とブランド・サプライチェーン・製品開発の統合も含む
当然2社が統合するので、重複する人員は選択が必要なのと余剰人員を新規事業に割り当てるか、削減するかの決断が出てきます。
聞こえは、いいですが厳しい決断を迫られることもままあります。
海外M&Aのアドバンテージとデイスアドバンテージ
アドバンテージ
超高給 インセンティブ 上乗せもある
まず、M&Aコンサルタントの給与体系は、通常、固定給+インセンティブという設計になっています。インセンティブとは、成約手数料の一部が業績に応じて青天井に支払われる仕組を意味して、この給与制度が年功序列ではなく、成果主義の給与体系となっている理由です。
M&Aコンサルタントの場合、賞与は基本給の3カ月分などど決められている訳ではなく、自身の成果に応じた賞与(インセンティブ)となります。従って、年齢や社歴に関係なく、成果を出した人は年収が高くなるという仕組みなのです。
従って、20代、30代であっても年収3000万円や年収1億円と夢のような年収を狙うことが可能です。
M&A仲介業のビジネス構造として、買収企業と被買収企業の両方から仲介手数料を取れるのでとてもおいしさのあるビジネス構造になっており、人が人材である為優秀な人材をKEEPする意味で超高給になっています。
企業を買収するデューデリジェンスにより様々な経営哲学を学べる
様々なデューデリジェンスを実施することにより会社の基本的な指数に関する様々なことをとても有意義に学べる。
分かりやすくいうと
1)財務(企業価値)
2)営業・事業戦略
3)人事及び組織運営
4)法律(違法行為していないかの確認を通じて)
を学べます。
多くの優秀な方とお会いできる
この業界にいるとと世界のTOP企業で働かれている優秀な人材とお会いする機会が非常に多く、また会社の経営陣とのお話が日常になるためとてもあなたにとってNETWORKING構築に素晴らしい寄与が期待できます。
デイスアドバンテージ
- 超多忙、結果を出すために夜の仕事も当然出てくる
- ストレスが多い(ストレスを感じないくらい鈍感力が求められる)
M&A業界 主な企業(仲介)
M&A仲介企業
- 日本M&Aセンター
- GCA
- ストライク
- M&Aキャピタルパートナーズ
- M&A総合研究所
- インテグループ
- M&Aベストパートナーズ
- グロウシックスキャピタル
- オンデック
- FUNDBOOK
- ペアキャピタル
M&A業界のTOP3平均年収ランキング(2024)
M&A業界のTOP3平均年収ランキングは、以下独自調査2024年8月は以下のの通りです。
- 第1位:M&Aキャピタルパートナーズ 在籍1年超のM&Aアドバイザーの平均年収は4,106万円
- 第2位:M&A総合研究所 2,800万円(買収と被買収では、圧倒的に買収M&Aが2-3割高い)
- 第3位:GCA 2,300万円
最近、ストライクが落ちている情報。毎年平均給与と順位は大きく変わっています。
上げ下げが非常に大きい業界です。
M&A業界は、市場の拡大と共に、採用を積極的に進めています。ここでは、求める人物像・スキル、そして各社の採用人数などについてお話します。
求める人物像・スキル
求める人物像・スキルとしては、以下の通りです。
求める人物像
M&Aはセンシティブな事なので、最初からお客様はハッキリと要望であったり意見を伝えてくれない事も多いです。従って、以下のような人物像が求められるのです。
- 営業能力が高い(好かれる人)
- 逃げない
- 人間的な魅力がある
- 理解が早く素直
- 見栄えが良い
いくら頭が良くてもCLIENTに好かれない方は、絶対に向いていないと思います。
高年収のM&A業界へ転職成功する5つのコツ
M&A業界へ転職を成功させる5つのコツとしては、以下が挙げられます。
5つのM&A業界へ転職成功のコツ!
- M&A業界を良く知る
- やりたいという強い意志を明確にする
- あなたの人間性及びできることをアピール
- M&A業界特化型の転職エージェントと事前に良く会話する
- 書類選考で落ちないようにCVを整備する(できればプロに添削お願いする)
一つずつ解説していきます。
M&A業界を良く知る
業界が買収側と被買収側に分かれていて双方から手数料を取れることだとか、一般的な経営者の幹部とどのように付き合い、案件を探していくのかなど基本的なことをまずは本なりこの業界で明るい方の情報に触れることから始めましょう。
そしてあなたなりにどのようにその経営の課題に関して提案をしていけるか(被買収会社とのMATCHING)を提案できるかを熟考する癖をつけて行かないとたとえ入社ができても成約まで至りません。
変な話、昔良くあった結婚相談所の進化版のようなお仕事なんです。
やりたいという強い意志を明確に示す
面接官は、あなたの強いWILL=最後まで諦めずにゴールするといったところを見ます。
なぜならそう簡単な仕事でないからです。
相手の目を見て逃げない姿勢を見ております。
あなたの人間性及びできることをアピール
経営者の社長様も人間です。
嫌いな人には会社の問題点・課題は絶対に話しません。
人間なかなか変えれないのですが、海外M&Aを見ていると日系グローバル企業が買収側、海外の企業が被買収側のケースではまずは、日系グローバル企業の経営陣に好かれて会社の抱える課題・問題点を聞き出すことができる人材になれるかが最大のPOINTになってきます。
M&A業界特化型の転職エージェントと事前に良く会話する
M&A業界特化型エージェントの場合には、M&Aの仕事についても正確に教えて頂ける、応募する会社ごとの特徴についても丁寧に教えてもらうことができます。
また、事前にCVという職務経歴書・履歴書の添削、および模擬面接を通じて、業界の知識も深まります。
早急に転職エージェントに無料登録して、相談をすべきです。
書類選考で落ちないようにCVを整備する
まず書類選考で落ちないようにしないと面接迄いけません。
ご自身でブラッシュアップするのにも限界があるため、転職エージェントにもご相談されるのも一方かと思います。
まとめ
M&A業界の業界ごとの平均年収ではNo.1の業界であることは間違いありません。
M&A業界は業界としても成長をめざましく続けており、後継者に悩む中小企業や事業承継問題が増えている中で、M&A仲介業者の数も急増しています。
また尚且つ、経営の基本を学べる海外M&Aをチャレンジしてみませんか!