マンション管理費って高いのか安いのか分からないよって方とても多いのです!
中小のマンション管理会社の管理費が異常に安くてどうしてなんだろう?うちのマンションの価格は適正なのかしら?
このような疑問を持たれた方、既にマンション管理の理事をされておられる方ないしは、これから理事をされる予定で、賃貸でなくマンションを長く保有されておられるマンション分譲OWNERをペルソナに実体験から書いております。
管理会社にマンション管理費の値下げは交渉できる?
管理費の交渉の仕方
管理費は貴方1人が交渉しても下げることはできません。
どうしても交渉されたいというので有れば、住人の賛同を得て理事会の決議を経て管理会社との値下げ交渉を行い管理費値下げ が出来る可能性はあります。貴方と同じく高いと思っている住人さんもおられると思います。しかしながら中には、「高くても管理体制が気に入ってるから変えたくない」という方も存在するかもしれません。特に大手のデべロッパーに付いている管理会社を変えるときはマンションの資産価値が下がると思う方もおられ結構大変です。(私は理事長のときにやりましたが)
言い方を変えればマンション管理会社は敵ではなく味方にするくらいの気持ちで重箱の隅を突くような細かいコストのカットを言うより一緒になってWIN-WINを目指した方が良いと思います。
大手の管理会社はどうしても間接コストが高く割高になるので、むしろ管理会社を中小へ変更された方が容易かも知れません。
即、値下げを交渉すべき大項目
ゼネコンで働いていた経験を元に実施、私のマンションで実施した内容を以下纏めます。
以下の項目は値下げの効果が大きいので即、実行しましょう
No | 項目 | 内容 | 値下げの期待 |
1 | エレベーターメンテ(点検費) | 部品込みの場合、三菱。日立自身のメンテから独立系へ切り替えると大体50%引きから65%引きになる事が多い。独立系から見積を取るだけで大手のエレベーター会社も結構この独立系価格へ合わせて来る。(エレベーターはメンテがぼろ儲け)一例;年80万円が35万円に下がった(大手M菱エレベーター、戸数20ケ、5階建て)20戸のマンションも50戸のマンションも大体、エレベーターは1基です。エレベーターの保守点検費を戸数で割りますと安くなりますが、戸数の小さなところは割高になります。 | 50から 65% |
2 | 非常灯など照明器具交換 | いまだにLED化が遅れているところが多いのと、例えば非常灯など本体の交換価格が8000円として取り付け費を22000円も取り30000円以上の交換費用になっているところが結構見受けられる。適切なメンテ業者を見つけましょう! | 20% |
3 | 照明のLED化 | いまだにLED化遅れているマンションがあり、点灯時間と電気設備が多いマンションは通常LED化によって30-40%電気代が節約可能なのと7-10年間交換しなくて済む | 30から40% |
4 | 照明の点灯時間の小まめな調整 | 通常タイマーが付いていて、タイマーでON/OFFを決めておりますが、冬と夏だけの調整でなく小まめに(できれば年4回、春、夏、秋、冬)調整すれば電気代の更なる削減が可能になります | 10% |
5 | 「管理会社への業務委託費」 | 管理費が安いところは年1回のみ、最低年2回は行いたいところなのでコストとの絡みで決めましょう | 10% |
6 | 管理人人件費 | 大手は、20-24万円、中小は17万円ー14万円(一番安いところはseven11の時給並み)でも金額の差が概して管理人様の能力に結構比例するので要注意! マンションの管理人が有給などで休んだ場合は、代わりに業務を行う「代行管理人」が来る場合がありますが、この費用はかなり割高である為管理会社負担とするように契約時交渉されると良いでしょう | 15% |
7 | 会計業務効率化 | 管理会社と良く会話して 1)お互いにメリットのある金融機関の選択2)集金代行会社の使用の有無3)その他雑多になる会計業務が効率的になるようにお話をするとコスト削減になることもあります。 | 5% |
絶対にやらない方が良い事
理事会の回数を減らす
理事会の回数を減らすといった提案を実行されているお話をたまに聞きますが一体いくらのコスト減になるのでしょうか?全く意味ないのと有益な討論をすることなしに良い管理ができるとは毛頭思いません。
理事会の実施回数はむしろ増やすくらいがいいので有って、管理の主体は理事及び住民で有ることを良く認識されてください。
NPO法人、マンション管理士をPROとして使う
コスト高になるのと実際のマンションの実態を把握しておられない方も多く当たり外れが多いのでお勧めはできません。
年間の業務委託契約なり顧問契約を依頼され非常にコスト高になる可能性が高いです。
管理会社を変更する(大手から中小へ!)
マンション管理費が20%も違う、驚愕の理由をお話します。
驚愕の事実(マンション管理費と大規模修繕積立金の相関関係)
一般的にマンション管理費と修繕積立金相場は
・管理費は290円/M2
・修繕積立金は210円/M2
と言われているのをご存じでしょうか!?
特に問題なのはこれまで管理会社の言いなりで、これといった共用施設もないのに高い管理費を放置し、大規模修繕費用削減の努力もしてこなかったことです。
この前2回目の大規模修繕工事を終えたところで積立金が底を尽いてしまい、3回目の大規模修繕工事どころかエレベーターや配管の交換費用も足りません。
結論を先に言うと、マンション管理のおいしさとは大規模修繕を含む施設修繕管理であり多額の資金が投じられていくわけです。
ここへリフォーム部とか作ってマークアップをいわゆる2倍、3倍にして儲けるので数百万円、大規模マンションの場合、ひどいところは数千万円単位で余剰金(利益)が出ますので毎月の管理費稼ぎはどうでも良いのです。
ひどい管理会社だと20年以上も管理費を値上げしないないしは、値下げをして、継続契約を勝ち取って要らない修繕工事を作り経費を回収して儲けている会社も見てきております。
つまり、マンションの平均専有面積が70平方メートルだとすると、70平方メートル×1.2万円=84万円/戸となる。実際に大規模修繕工事をする際には、しっかりと要件定義をして、競争原理を徹底し、厳しく見積もりを取っていくと、コストが2割、3割と下がる計算になります。
大規模修繕工事総額は戸当たり単価に戸数をかけ合わせて、100世帯であれば84万円×100戸=8400万円となる。何事にも相場はあるので、ベンチマークにして精査することが必要になるが、これが意外に簡単ではない。業者に談合されたら、相場はうまいことつり上げられてしまうからである。
背景(中小管理会社の苦しみと利益の源泉は?)
特に中小のマンション管理会社は、毎月の管理費を上げると大手に比べて集客に難があるのと管理人様の採用もなかなかできないなどMARKET SHARE(市場規模)を取りにくいところがあります。
また大手はマンションの開発者(DEVELOPPER)をやって管理会社も系列でやれるので有利です。
例
1)三菱地所(PARHHOUSE)>>管理会社(三菱地所コミュ二テイ、旧ダイヤ))
2)長谷工(ルネ)>>管理会社(長谷工コミュニティ)
このような状況から、まずは自動的にマンション購入時漏れなく管理会社が付いてくることが多いです。
新しい物件の管理の受注を目指すとき管理費がコスト割れすることを分かっていても市場(契約)を取り後で修繕工事、大規模修繕工事で大きく回収できるので問題ないのです。
大規模マンションの場合、ゼネコンと言われる建設会社の方がおられれば、入札を行い公平な評価で修繕費用を評価できますが、通常技術やマーケットが分からないので管理会社にお任せになってしまうケースが非常に多いです。
又日本人の気質として何かでしゃばって意見を言うと他の住人から責められるのを恐れる気質の方が背景にあるのも事実です。
マンション管理会社の選び方3選
第一選:他の管理しているマンションの評判を調べる
金額だけで決めると後でしっぺ返しを食らいます。
実際に管理を行っているマンションの住人の声を聴ければ一番良く実際の話が聞けて参考になります。
INTERNET他2チャンネルなどITも有効活用して調べるのもある程度参考になるかも知れませんがすべて情報が正しいとは言えないところがあります。
第二選:大規模修繕などファシリテイメンテナンスの体制が整っている会社を選ぶ
管理を買えという言葉があるように、マンションの価値は購入後のメンテにあると言っても過言でありません。
特に12年後、24年後に予定されている大規模修繕にいかに効率よく費用を掛けてマンションの価値を維持するかは非常に重要なこととなっております。
又、改修工事の費用で過剰な儲けをしないように数社相見積もりを取ることをお勧めします。
マンション内に設備・工事の知見がある方にお願いするか、信頼できる管理会社を選びましょう。
第三選:独立系の中小の管理会社を選ぶ場合は、管理人の採用状況を調べる
管理人を採用するのが非常に難しくなっております。
管理人様の受ける感じと清掃業務などの質によってマンションの価値は大きく変わることを良くご理解されてください。
中小の管理会社を都心部で雇用される場合は、数ケ月場合によっては半年から1年以上も新しい管理人が見つからず管理人派遣会社から派遣されることがよくありますので、1週間の内で管理人様が変わるようになることがあることをご留意ください。管理費の変更には総会の決議が必要な場合もあります。
管理費の変更をする場合に注意すること!
一般的には、管理費や修繕積立金は、総会の決議で可決されれば変更可能です。決議の可決条件は、区分所有者の数および議決権の過半数の賛成です。
しかし、管理費の金額が規約の本文に記載されている場合は、特別決議が必要になります。特別決議で可決されるには、区分所有者の数および議決権の4分の3以上の賛成が必要です。一般の決議よりもハードルが上がるため、管理費削減の目的や契約内容の変更事項を、よく丁寧に説明した上で決議に進むようにしましょう。
大規模修繕費用を25%値下げを実現してマンション管理費へ回す
大規模修繕費用は数千万円にも及びこの金額を値下げできればマンション管理費の値下げと同等の効果が得られます。
漠然と交渉しても多少は値引けても根拠がないので大きくは期待できません。
以下の項目をお読みになられ理事の皆様・住人の中にゼネコン・エレベーター関係詳しい方などTEAM UPされることをお勧めします。
あるタワーマンションで、私の友人の大林組の方が竹中工務店、三井住友建設の方と協力して
大規模修繕は、入札箱を設けて公開入札を実施、大幅にコストダウンに成功されている例も御座います。
何が言いたいか言うと主体性を持たないと管理会社に騙されます。
管理費は貴方1人が交渉しても下げることはできません。
どうしても、というので有れば、購入後住人の賛同を得て理事会の決議→管理会社との値下げ交渉→(成功すれば)管理費値下げ に出来る可能性はあります。貴方同様高いと思っている住人さんも多いでしょうが、「安心できる管理体制が気に入ってるから高いとは思わない」という人も存在するかもしれません。すんなりいくかどうかは疑問符です。
おそらく現時点ではデベロッパー系列の管理会社が入っていると思いますから、他社の管理会社に乗り換える事も検討された方がいいかもしれませんね。見積もりを見せただけで値引き提示してきたという話も聞きます。
ただ、これらは(上にも書きましたが)購入後、理事会で決議するべき話です。貴方1人がスタンドプレーに走ってもどうにもなりません。
賃貸のケースでのマンション管理費
管理費0円の物件もあります
募集物件の中には管理費0円の物件も数多くあります。その場合「管理されてない物件なの?」と思いますが、そんなことはありません。
賃料15万円・管理費0円の場合、貸主自身が15万円の中からやりくりしていることになります。つまり、管理費を1万円にするか0円にするかは貸主の自由です。
管理費と共益費があります。
分譲の場合は、比較的に通常マンション管理費の中ですべて統合的に纏まっておりますが、賃貸の場合は共益費や管理費の使い道には特段の決まりがありません。
一般的には、
1)管理費
建物を維持管理【ファシリテイメンテ】するために必要な費用
2)共益費
共用部分の電気代・清掃費用・水道代など共用部分の維持管理に必要な費用
と分けて計上されておられると事もあります。
纒め
- 定期、不定期の合計金額だけで判断せずに大規模修繕などファシリテイメンテナンスをきちっと適正な金額で対応してくれるマンション管理会社を選びましょう。
- 良く教育された資質ある管理人様を派遣して頂ける管理会社を選びましょう。
- マンションの理事会の運営主体は理事です。管理会社はあくまでサポートだけですのでその担当された年にどのようなテーマで臨むのかは理事で主体的に決めていきましょう。マンション管理費の値下げ交渉を行うのはあなたです。ぜひ少しづつでも勉強され頑張ってください。
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